atyatya0921’s diary

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野宿で死にかけた話Vol1

この記事は

とりあえずなんでも Advent Calendar 2019 - Adventar

の1日目の埋め合わせ記事です。(執筆は25日)

 

あれは19歳の時だった…

当時からぶらり自転車旅が好きだった自分は、学生時代の春休みに、実家の苫小牧からいい感じの場所まで自転車で行く旅に出ようと思っていました。

その前までの旅は札幌の祖父の家まで往復で日帰りする150キロくらい?が最長記録だったのですが、時間ならあるぞ!ということで、小学校の修学旅行先だった函館に行こうと思い立ったのを覚えています。「バター飴食べて、函館山にでも登って、ラッキーピエロハンバーガーでも食べて、赤レンガ倉庫でも見に行くか」みたいな、修学旅行の思い出を巡る旅ですね。今思い返しても最高にエモい。

 

当時の装備はママチャリでしたし、ロードバイクでも函館まで一日で着くことは厳しいので、ママチャリのカゴに寝袋を突っ込みつつ冬用のジャケットを着て出発しました。

寝袋については、別に最初から野宿する気はあまりなかったのですが、いざというときのために持っていくことにしていました。念には念を、というやつです。野宿なら0円なので、学生のお財布にもやさしい。そんな周到な準備をしていたおかげか、出発前は野宿もばっちりこなせる気でいました。なんなら野宿ってどんな感じなんだろう、楽しみ!とすら思っていました。

 

まぁ、ここまでは良かったのです。

 

初日から試される大地、北海道の試練を受ける

海沿いをひたすらに走り続けた初日、結構な向かい風で寒いな~と思いつつ、夜5時くらいまで走って、異変に気付きました。

視界が白いと。雪が降っていると。

おかしい。春休みでは?と思っているみなさん。出発した当時の自分ですら忘れていましたが、北海道では3月末といえど雪が降る可能性があります。その日は普通に雪が降って、夜7時くらいには道路が真っ白になっていました。そう、2時間で雪が積もりました。

 

北海道の国道はまっすぐなので雪が積もっていても氷が張らなければまだ自転車で進めるには進めるのですが、風も強くて死ぬほど寒いのです。

幸いにも、バス停の小屋があり(北海道は所々、小屋+ベンチというホームレスが住めそうなバス停があるのです)その日はバス停で難を逃れようとしました。

が、そういうレベルじゃない。つらい。外からビュービュー風の音が聞こえる中、ベンチの上に寝袋を設置して寝てみたのですが、凍死すると本能が叫んでました。体が震えています。

幸いコンビニを通り過ぎた後のバス停だったので、コンビニで暖を取る作戦に出ました。今まで水分補給用の水を入れていた1.5リットルのペットボトルにカップ麺用に用意してあるお湯をマックスまで入れて、カップめんも買い、さらに缶のコーンポタージュも買いました。小屋に戻って寝袋の中でペットボトルを抱きしめながらかっぷめんをすすって、コンポタで手を温めました。この作戦で11時くらいまではまだ温もりを感じて、自分サバイバルスキル高いなとか思っていました。

 

しかし、12時を過ぎたあたりでコンポタの缶は「あったか~い」から「つめた~い」に変わり、ペットボトルのお湯も水になってしまって、再びの極寒。しかも夜中なのでさらに冷え込んでいます。しょうがないのでまたコンビニへペットボトルのお湯を補給しに行きました。

そしてここから2時間おきにコンビニに行って暖を取りつつペットボトルにお湯をマックスまで入れる不審者レベルの行動をくり返して、朝5時すぎまで生き永らえました。

3時くらいにコンビニに行ったときに「そのお湯何に使ってるんですか?」とコンビニの店員さんに聞かれたのを覚えています。やばい、怪しまれている!!とパニックになってしまった挙句「え、あの…暖かいので…へへ」みたいな

完璧に頭おかしい人の回答をしてしまい、今ふり返ると、ここで助けてくださいとか言わないあたりコミュニケーション力の低さを感じてしまいます。

 

生きれば勝ち

早朝4時くらいに雪が止み、5時くらいにうっすら空が白んできたのを見計らって、「この装備とこのタイミングで函館まで行くのは残機が足りない」と冷静に判断して、引き返しました。

まだ雪がうっすら積もっていましたが、風は依然として強く、復路だったので向かい風が追い風になってくれました。行きの時間より3時間ほど早く家に戻って、晩御飯前に戻ることができました。

「いつもより一人少なくなったし、あと30分くらいしたら寿司でも食べに行くつもりだった」という話を聞いた時には、本当に晩ごはん前に帰ることができて良かった…と生きていることの喜びを感じましたね。あの晩の寿司は本当においしかったです。

 

教訓

・野宿は相当ハードル高い

・北海道をなめてはいけない

・生命の危険を感じたらまず生き抜くことを最優先せよ